能事畢矣、再会の時

前回、グリフォンの巣でまた痛い目を見てしまった私だが・・・それでも充分に、自分に力が付いていることが理解できる
あと少し・・・馬鹿姉を捜しに出るまで、あと少し!

とりあえずグリフォンの肉は、武閃に行って「翼・即・斬」のクエストで消化する
報酬は沢山の苺、砂糖、ミルク ── 苺ミルクの材料らしいが・・・まぁ、こういう報酬も悪くはないか
少し前の私ならば「堅いお役所仕事の上に、食べ物でお茶濁しか!」などと吠えていたところだろうが
自分一人の力で生活が成り立つようになってきた余裕の現れだろう、思わず苦笑する

30個近くの肉を渡しきるとちょうど、「木刀」からもう一段階上へのランクアップクエストを紹介された
ダーイン山の狂った鉱夫・・・過酷な労働環境に精神が着いていけなくなったのだろうか、近寄る者には無差別に襲いかかる彼を倒し
安全を取り戻した証として、彼の持つ「マイナーズワイフ」というお守りを持ち帰り、鍛冶屋のフェブに届けるというものだ
もっともこのクエストは下調べ済み・・・前回ダーイン山に行った際、既に退治して目的のお守りも入手済みだ
鍛冶屋のフェブにこれを渡すと、これで皆が安心して鉱石を掘れると喜び、そして「ありがとう」と
心からの感謝を述べてくれた・・・なんだか少し、くすぐったい
ともあれオグマに報告を済ませ、私は晴れて「鉄刀」のランクを手にする
武閃からも充分に一人前として認められている証拠だ、あとは自分のケジメのみだ・・・!

「ずしりと重い刀を握って、気を引き締めよ・・・良いな?」

オグマの言葉に私はさらに気を引き締め、ケジメの2次シップへ向けて鍛錬を続ける
恐らく最初にスキル値60に到達するのは包帯 ─── 「メディック」という、私には似合わないシップになりそうだが
そこに到達するまでは・・・あと僅か、もう少しだ、自分に強く言い聞かせる

d0037370_194065.jpg本日、私が鍛錬の相手に選んだのは・・・先日「死」を見せられた、イクシオン
とはいえ今回向かった先はガルム回廊ではない、ミーリム海岸だ
ここにはイクシオン共が住まう洞窟、エイシスケイブの入り口があり、そこから数匹のイクシオンが
見張りとして海岸にその姿を見せている
もっとも私が狙うのはこいつらではない、こいつらの連携の恐ろしさは経験済みだ

私が目を付けたのは洞窟から少し離れた砂浜、ここには他の仲間たちとはぐれたイクシオンが現れる
相手をするのはこいつだ、一対一の勝負ならちょうど良い相手になる!
充分手に馴染んだウォースペイドを振るい、戦闘技術をフルに活用し、傷には手早く包帯を巻き

そして、その時はやってきた

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ちょっと待て、何だこのシップ名は・・・メディックでも私には似合わないと思っていたのに

女だからって、よりにもよって ナースって ・ ・ ・ !?


この一瞬の混乱に判断が遅れる、気が付くと背後にはもう一匹のイクシオンの姿
あれほどこいつらの連携には注意していたはずなのにッ・・・! 挟撃を受け、私の意識はまたしても ───


d0037370_20233215.jpgくっ・・・これで「死」も六度目か
ソウルバインダーは、上昇したばかりの包帯スキルを奪うようなことはなかった
いっそ、持っていってくれたほうが ─── いや、ともかくこれで、ケジメとしていた2次シップも達成したんだ
あとはこのダイアロスに来た本来の目的、shinyを捜し出すことだけだ!!


・・・ビスク西区画、食べ物屋テント横
shinyの知人である人々の話を聞くに、どうやらあの馬鹿姉は
日夜各地を飛び回っているが、このあたりにはしばしば、顔を見せることがあるらしい
今日ここにいたAnonycat、ミツ、なこという3人も、shinyとは知り合いのようだ

こうなればここで待ち構えてやるのが一番、か
私の前に姿を現したら最後、一晩は説教を続けてやる
本当なら言いたいことなんて、居なくなってからの一年分・・・いくらでもあるんだッ!!
何から言ってやろうか、ああもう、いざとなったら考えがまとまらない

と・・・西区画の喧噪を掻き分けて、一際うるさい足音が近づいてくる
そちらに目をやると、足音の主の姿が見える・・・ああ、間違いない
手には物騒な刃物、身に纏う物も違っているが ─── あとは一年前と変わらない、見慣れた双子の姉の姿だ

d0037370_2226345.jpgshiny! この一年間、私がどれだけ心配したと・・・!

私は口を開く、だが唇が震えて言葉にならない
先に言葉を発してきたのは、そんな私の前まで全力疾走して来た向こうのほうだった

「ぜーぜー・・・まったく、走ってくるの疲れた疲れたー!
 ナースに昇格したの見て、おめでとーってカレー投げつけて感動の再会!っと思ったら
 直後にあっさりやられて消えちゃうんだから、まったくもー」


・・・・・は? いきなり何、そもそもなんでさっきの出来事を知ってるわけ?
私の表情からどこまで読みとったのか、目の前に立つshinyは話を続ける

「みんなから話は聞いてたからね、すぐに見つけてずーっと見てたんだけど
 なんかヘンなケジメ作っちゃってるし、私から出ていくのはなんだなーって
 相変わらずマジメっ子だよね、うん

 ・ ・ ・ なにはともあれひさしぶり、シルヴァも元気で良かった


ああもう、嬉しいのか悔しいのか、頭の中がぐちゃぐちゃだ
言いたいことも山ほどあったはずなのに、唇も心も震えて、全く言葉が作れない

・・・ああ、一番単純で手っ取り早い方法があるじゃないか
今の私は感情の制御ができていないようだが、この方法を実行するには
むしろこのくらいのほうがいいな
うつむく私を覗き込むshinyに、私はやっと一言だけ、言葉を発することができた




「この ・ ・ ・ 馬鹿姉!!」


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 ご す っ 。




私の握るウォースペイドの角が、shinyの脳天に直撃する。

一年ぶりの姉妹喧嘩の火蓋が今、切って落とされた。

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by shiny_shiny | 2006-01-13 18:01 | シルヴァの奮闘日記


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